
『FX「価格の動き」を把握する』シリーズも
これでラストです。
ここまでくると、
「理屈はわかったけど、実際にはどう読めばいいの?」
と感じる方も多いと思います。
今回は、実際のチャート画像を見ながら、
「読み方の練習」をしていく内容になります。
読む力は、積み重ねで必ず育っていきます。
少しずつ一緒に確認していきましょう。
0. スマホでMT5をインストールしてチャートを表示しよう
FXのチャートを読む練習を始めるために、
まずチャートを見るためのアプリを
スマホに入れておきましょう。
初心者の方には、
「MT5(MetaTrader 5)」の
スマホアプリ版がおすすめです。

MT5ってなに?
MT5は、世界中のトレーダーが利用している
無料で高機能なチャートアプリです。
スマホ1つで、
- リアルタイムでチャートが見られる
- テクニカル指標を表示できる
- 練習用のデモ口座で始められる
などの便利な機能がそろっています。

スマホ版MT5のインストール方法
以下の手順で、スマホにMT5アプリをインストールできます。
スマホ版MT5の始め方(iPhone/Android共通):
- 上のボタンをタップ、もしくはApp Store または Google Play で「MT5」と検索
- 「MetaTrader 5」アプリをインストール
- アプリを起動し、「デモ口座で始める」を選択(※)
- FX会社を選び、表示名やメールアドレスを入力してデモ口座を開設
チャートの見方と操作方法
アプリを開くとすでにチャートが表示されていますが、
見たい通貨や時間足に切り替えることもできます。
《MT5の基本操作》
- 銘柄の追加:「気配値」画面 →上の検索窓から検索して追加
- チャート表示: 気配値の銘柄をタップ →「チャート」
- 時間足の変更: チャート画面上の「M1」「H1」などをタップ
- ローソク足表示: デフォルトで設定されています(変更不要)
- インジケーター追加: チャート上の「f」マーク → 指標を選んで追加

スマホひとつで、チャートの練習が手軽に始められます。
最初は「チャートを開いて、動きを眺める」だけでもOKです。
慣れてきたら時間足を変えたり
インジケーターを使ったりしてみましょう!
まずはアプリを触って、慣れるところから始めてみてくださいね。
1. チャート練習を始める前に気をつけたいこと
これから実際のチャートを見ながら、
「価格の動き」を読み取る練習をしていきます。
でも最初に知っておいてほしいのは、
チャートには絶対の正解がないということです。
同じチャートでも、人によって見え方はさまざまです。
大事なのは、自分なりに「こうかもしれない」と考えること。
それを繰り返すことで、
少しずつチャートが読めるようになっていきます。

ここからは、実際の例を使って、
チャートの読み方を確認していきます。
ぜひここまでの注意をもとに
学んでいってください!
2. 実例① 上昇トレンドの読み方【応用】
上昇トレンドとは、
価格が安値・高値を少しずつ更新しながら
上がっていく動きのことです。
チャートパターンとしては、
- 一時的に下がりながらも上昇トレンドを継続する「上昇フラッグ」
- 三角形の形を作りながら上に抜ける「上昇ペナント」
などがあります。

実際の例で見てみるとこんな感じになります。

テクニカル指標も合わせてチェックしましょう:
- 移動平均線が右肩上がり: 相場全体の流れが上向きであると判断できます。
- 価格がその線の上を推移している: 押し目が移動平均線付近で止まって反発すれば、「上昇トレンド継続」と判断できます。
- RSIが50〜70の間で安定: 過熱しすぎず、健全な上昇が続いている状態です。

パターンと指標の両方が「上昇の流れ」を示していれば、信頼性がアップします。
3. 実例② レンジ相場の読み方【応用】
レンジ相場とは、価格が一定の範囲を行き来している状態です。
方向感がなく、いわば「力を溜めている時間帯」で、
一度どちらかに跳ねるとその方向のトレンドを作りやすいです。

この時によく出るのが、
- ボックス型の横ばいチャート
- ダブルトップ/ダブルボトム のようなパターンです。
テクニカル指標で考えるべきところは、
- 移動平均線が横ばい: トレンドがない証拠です。
→ 価格が平均線の上下を行ったり来たりしているなら、今は無理に動かないのが無難です。
- RSIが50前後を行き来: 相場に方向性がなく、買われすぎでも売られすぎでもない状態。
→ この状態では、RSIが70に近づいたら売り、30に近づいたら買いのサインとして考えることができます。ただし、一気に跳ねた場合にそのままトレンドを作ることがあるので注意が必要です。
などです。

4. 実例③ トレンド転換の読み方【応用】
トレンド転換とは、
上昇 or 下降の流れが止まり、
逆方向へ変わる場面です。
ここでは、変化の兆しをいち早く捉えることがポイントです。
主なチャートパターンは:
- ダブルトップ/ダブルボトム
- ヘッドアンドショルダー(三尊)
- ソーサーボトム(ゆるやかな転換)

そしてテクニカル指標として使えるのが、
- 移動平均線を価格が逆方向に突き抜けた:
→ これまでの上昇(または下降)とは違う動きが始まりつつあるサイン。その後、移動平均線の向きも変わるとより強い転換の可能性。 - RSIが高水準(70以上)から急落 or 低水準(30以下)した:
→ “行きすぎた動き”からの戻し=転換の兆しとして読みます。
などの動きです。

転換サインは「複数の要素が重なるとき」が本命。単体だけで決めないようにしましょう。
5. 読む練習で心がけること【実力を育てるステップ】
チャートを読む力は、一朝一夕では身につきません。
でも安心してください。
大切なのは、コツコツと「考える習慣」を身につけることです。
ここでは、
チャートを読むときに意識したいポイントをお伝えするので
ぜひこれらを意識して力をつけていってください!
1枚のチャートをじっくり見ること

練習というと
「たくさんのチャートを見なきゃ」
と思いがちですが、
むしろ1つの場面を
じっくり観察する方が力になります。
たとえば、
- どこでトレンドが始まったか?
- どんな形で動いていたか?
- どこで転換のサインが出ていたか?
を何度も巻き戻して見返すことで、
自然と流れをつかむ力が養われます。
数をこなすより、「なぜそうなったか?」を考える方が効果的です。
予想と実際を比べるクセをつける

チャートを見ながら、
「ここから上がりそう」や
「そろそろ止まりそう」と思ったら、
必ずその後の動きと照らし合わせてください。
これを繰り返すことで、
- どの判断が当たったか
- なぜ外れたのか
- どのサインがヒントになっていたか
が、少しずつわかるようになります。
それが“自分なりの読みの基準”を
育てる土台になります。
うまく読めなかった時こそ学びがある

思った通りに動かなかった時、
「失敗した」「わからない」と落ち込む必要はありません。
むしろ、そこに気づきのヒントが隠れていることが多いのです。
- 「だまし」だったのか?
- 無理なタイミングで判断していなかったか?
- 別の時間足ではどう見えていたか?
このように、うまくいかなかったときほど見直しのチャンスです。
「まとめ」と「課題」
今回は、実際のチャートを見ながら「読み方の練習」を行いました。
- チャートの読み方にはステップがある
- パターンとテクニカルを組み合わせて判断する
- 失敗を重ねることが上達への道
最初は難しく感じても大丈夫です。
「見る」「考える」「振り返る」ことを習慣にすることで
少しずつチャートが見えるようになるでしょう!

さて、これで『FX「価格の動き」を把握する』シリーズは終わりです。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!
最後にあなた自身で手を動かして
学ぶことができるように課題を作りました。
実際に手と頭を動かすことで
本当の学びとして定着するので、
こちらもぜひ取り組んでみてください!
課題①
MT5アプリをダウンロードしてチャートを表示させてみよう! 通貨はXAUUSD(金とドルのペア)、時間足はH4にしてみてください!
課題②
MT5アプリでインジケーターを利用してみよう! ボリンジャーバンド、移動平均線、RSIを表示させてみてください!
課題③
課題②で表示したインジケーターを使って、過去の動きを見てみよう! インジケーターに対して、価格がどう動いているか観察し、予想し、実際のものと比べてみてください!
課題④
過去のチャートを見ながら、チャートパターンを探してみよう! 同じような動きをしているのに違うトレンドに移行した場合などに注意をしながら見てみましょう。
課題⑤
現在のチャートの動きを予想しながら取引してみよう! ぜひデモ口座で取引の練習をしてみてください。少しずつコツが掴めるようになるはずです。
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