本レポートでは ドル円(USD/JPY) と ビットコイン(BTC/USD) を中心に取り上げます。為替と暗号資産という異なるマーケットを同時に追うことで、資金の流れや投資家心理を多面的に把握し、来週に向けた展望を考えるためのヒントをチャートとファンダメンタルズの両面から整理していきます!

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USD/JPY ドル円相場
USD/JPY (ドル円 相場) – 週足 –

チャート分析
ドル円は週足ベースで上昇基調を維持しつつ、足もとでは157円台半ば前後で推移している。
中長期では、2024年高値圏から延びる下降トレンドラインをいったん上抜けた後、その上方での定着を試す局面に入っており、地合いそのものは円安・ドル高方向に傾いている。
もっとも、157円台後半から159円台にかけては過去の戻り高値帯と重なる強いレジスタンスゾーンで、直近も上ヒゲを伴いながら伸び悩んでいる。とりわけ159円前後は戻り売りが出やすく、週足で明確に上抜けてこない限りは高値圏でのもみ合いが続きやすい。
一方、下値では156円前後が目先のサポートとして意識され、その下では151~154円ゾーンが中期的な押し目候補となる。さらに145~146円台は週足ベースの重要な防衛ラインで、ここを維持する限り大勢の上昇トレンドは崩れにくい。
全体としては、長期下降トレンドライン突破後の押し目固めとみられる局面であり、157円台を維持しながら159円台の上値抵抗を試せるか、それとも再び156円割れ方向へ押し戻されるかが次の焦点となる。
USD/JPY (ドル円 相場) – 4h –

チャート分析
ドル円は4時間足ベースで上昇基調を維持しつつ、足もとでは157円台後半での高値持ち合いとなっている。
直近では156.9~157.1円近辺の上抜けをきっかけに一段高となり、157.8円前後まで上値を伸ばした後は、157.4~157.8円ゾーンを中心に押し目と戻り売りが交錯している。高値圏での値固めが進んでいる形で、短期モメンタムはなお上向きだ。
上値では、157.9~159.0円が明確なレジスタンス帯として意識される。とりわけ159円台前半は直近高値圏かつ戻り売りが出やすい水準で、ここを明確に上抜けて定着できるかが次の焦点となる。
一方、下値では156.2~156.8円が目先の押し目候補として機能しており、このゾーンを維持できる限りは上昇トレンド内の調整にとどまりやすい。その下には152.6~153.6円の厚いサポート帯が控えており、相場の地合いを左右する中期的な防衛ラインとなる。
全体としては、2月後半以降の上昇波動を引き継ぎながら、足もとは高値圏でのレンジ形成に移行しつつある局面。157円台後半の保ち合いを上放れるか、それとも156円台半ば方向へいったん調整を入れるかが今週の分岐点となりそうだ。
上値の焦点
157.8~158.0円:足もとの戻り高値帯。ここを明確に上抜ければ、159円方向への上値試しが再開しやすい。
158.8~159.1円:直近高値圏かつ強いレジスタンス帯。再び跳ね返される場合は、短期的なダブルトップ形成に注意。
159.4~159.5円:上方ターゲットの最終候補。到達時には利食い売りが強まりやすい。
下値の焦点
157.2~157.4円:高値圏レンジの中心帯。ここを維持できる間は買い優勢の地合いが残りやすい。
156.2~156.8円:押し目候補のサポート帯。割り込むと短期モメンタムはやや鈍化しやすい。
152.6~153.6円:中期サポートゾーン。ここまで下押す場合は、4時間足ベースで調整色が一段と強まりやすい。
ファンダメンタルズ
ドル円のファンダメンタルズは、足もとでは依然として米日金利差が中核テーマだ。FRBは1月28日のFOMCで政策金利を3.50〜3.75%に据え置き、今後の追加調整については、入ってくるデータと見通し、リスクのバランスを慎重に見極める姿勢を示した。しかも同会合では2名が0.25ポイントの利下げを主張しており、利下げ再開の可能性は残しつつも、現時点では即断を避ける「様子見」の色合いが強い。3月17〜18日には次回FOMCが予定されており、ドル円はその手前まで米雇用・物価指標に振られやすい地合いが続きそうだ。
一方、日本銀行は1月23日の金融政策決定会合で無担保コール翌日物金利を0.75%程度で推移するよう促す方針を維持した。ただし同会合では高田委員が1.0%への引き上げを提案して反対票を投じており、日銀内部でも追加利上げを巡る温度差とともに、正常化継続への意識が残っていることがうかがえる。次回会合は3月18〜19日に予定されており、FRBと日銀の会合日程がほぼ重なることで、来週後半から再来週にかけてはドル円のボラティリティが高まりやすい。
したがって、現状のドル円は、米国側で景気減速を踏まえた年内の利下げ期待がなお残る一方、日本側では追加利上げ観測が完全には消えていないという構図にある。方向感そのものは依然ドル優位でも、これまでの一方向的な円安というよりは、米指標の鈍化や日銀のややタカ派的な示唆が入る局面で円買い戻しが入りやすい相場環境と言える。当面は、3月6日の米雇用統計、3月11日の米CPI、そして3月17〜19日の米日中銀イベントが、157円台後半の定着可否を左右する最大の材料となりそうだ。
来週以降の注目イベント
3月10日(火) 日本GDP改定値(2025年10-12月期、2次速報)
3月11日(水) 米CPI(2月)、日本企業物価指数CGPI(2月)
3月13日(金) 米JOLTS求人件数(1月)
3月17日(火)〜18日(水) FOMC
3月18日(水)〜19日(木) 日銀金融政策決定会合、19日に政策発表予定
BTC/USD ビットコイン相場
BTC/USD (ビットコイン 相場) – 週足 –

チャート分析
週足では、昨年後半の高値圏から崩れた流れを引き継ぎ、足もとでは70K近辺まで水準を切り下げている。
これまで中期的な押し目候補として意識されていた88K、82K、76K近辺のサポートを段階的に下抜けており、チャート形状は明確に下方向へ悪化。上昇チャネル下限も割り込み、長期上昇トレンドはいったん大きく損なわれた格好だ。
直近では一時60K台前半まで急落した後、足もとは68K〜70K台で自律反発を試しているものの、戻りはなお限定的。72K近辺には直近の戻り売りが出やすい価格帯があり、その上では76K、82K、88K〜94Kが順に厚いレジスタンスとして控える。
これらの水準を段階的に回復できない限り、週足ベースでは戻り売り優位の地合いが続きやすい。一方、下値では65K前後が目先の攻防水準で、これを再び割り込む場合は60K台前半、さらにその下では中長期の最終防衛ラインとして55K前後が意識される。
全体としては、長期上昇トレンドからの下放れ後に急ピッチの調整が進んだ局面であり、まずは70K台を回復して下落の勢いを鈍らせられるか、それとも戻り切れずに65K割れから一段安に向かうかが当面の分岐点となりそうだ。
BTC/USD (ビットコイン 相場) – 4h-

チャート分析
BTC/USDは4時間足ベースで急落後の戻りを挟みつつ、足もとでは70K近辺で再び上値の重い展開となっている。
直近では64~66Kゾーンを下値支持として持ち直し、いったん73K台まで自律反発を見せたが、76K近辺の明確なレジスタンスには届かず失速。その後は71K前後へ押し戻されており、短期的には戻り売り優勢の地合いが続いている。
4時間足では、72.5~74.0Kが目先の戻り高値帯として意識され、その上には76Kラインがより強い上値の分岐点として控える。ここを明確に回復できない限り、下落波動の中の反発にとどまりやすい。
一方、下値では69~70Kが足もとの攻防水準で、さらにその下の65~66Kが短期サポートとして機能している。このゾーンを割り込むと、直近安値圏である62~63K方向まで再び下値余地が広がりやすい。
全体としては、大幅下落後のリバウンド局面を経て、再び戻りの鈍さが意識されている局面。70K台を維持しながら再度73~76Kを試せるか、それとも69K割れから65K台のサポート確認に向かうかが今週の焦点となる。
上値の焦点
72.5~74.0K:直近の戻り高値帯。ここを上抜けて定着できれば、短期反発がもう一段続きやすい。
76.0K:明確なレジスタンス水準。回復できれば下落トレンド一巡への初期シグナルとなりやすい。
81.0~82.0K:一段上の戻り売りゾーン。地合い改善が進んだ場合の次の上値目処。
下値の焦点
69.0~70.0K:足もとの中心レンジ。ここを維持できるかが短期モメンタムの分岐点。
65.0~66.0K:下値支持帯。割り込むと売り圧力が再び強まりやすい。
62.0~63.0K:直近安値圏。ここを明確に割る場合は、60K割れまでの一段安を警戒する必要がある。
ファンダメンタルズ
足もとのBTCは、暗号資産固有の強材料よりも、米金融環境とリスク選好の変化に強く左右される展開が続いている。FRBは1月28日のFOMCで政策金利を3.50〜3.75%に据え置き、「経済活動は堅調」「雇用の増勢は弱いが失業率は安定の兆し」「インフレはなおやや高い」と評価したうえで、追加緩和を急がない姿勢を示した。市場では3月17〜18日の次回FOMCを前に、米CPIとPCEを通じて利下げ期待が再加速するか、それとも高止まりするインフレが再び重しになるかを見極める局面にある。BTCにとっては、金利そのもの以上に「流動性がさらに緩むのか、それとも長く抑制的な環境が続くのか」が最大の論点だ。
市場心理の面では、2月初旬にかけて広範なリスク資産売りと連動してBTCが急落し、ロングの巻き戻しとボラティリティ上昇が進んだ。その後はいったん70K台を回復する場面もあったが、戻りはまだ安定しておらず、相場は「強気再開」よりも「急落後の不安定な戻り」の色合いが濃い。加えて、米議会では暗号資産関連法案が足もとで再び行き詰まり、規制面でも一方向の追い風にはなっていない。つまり、構図としては、中長期の制度化期待は残る一方、短期はマクロ主導のセンチメント悪化と規制不透明感が上値を抑えている状態と言える。テクニカル面でも主要サポート割れの後だけに、当面は金利低下期待や株式市場の安定が戻りの前提条件になりやすい。
VIX 恐怖指数
VIX (恐怖指数 相場) – 日足 –
値が高い → 投資家がリスクを強く警戒している状態。
値が低い → 市場が安定、投資家が安心している状態。
※チャート上に目安のラインを引いてあります。

VIXは18台で10〜20の安定圏。20超えは警戒、30超えでリスクオフ加速。
VIX指数は日足ベースで上昇基調を強めており、足もとでは23台後半まで切り上がっている。
これまで中心レンジだった16~20近辺を上放れた後、直近では20ラインを明確に上回って推移しており、市場心理は「安定」から「やや不安定」へと移行している。目先では23~24近辺が現在の滞留ゾーンとなっており、株式市場には警戒感が着実に広がっていることがうかがえる。
もっとも、水準自体はなお30未満にとどまっており、過去の急騰局面のようなパニック相場には至っていない。現状は全面的なリスクオフというより、イベント通過前のヘッジ需要や先行き不透明感を織り込む形でボラティリティがじわりと高まっている段階とみられる。
上値では25~30ゾーンが次の警戒水準で、ここを明確に上抜ける場合は株安と連動したリスク回避ムードが一段と強まりやすい。一方、下値では20ラインが目先の分岐点となり、この水準を再び割り込んでくるなら、足もとの緊張感はいったん後退しやすい。
全体としては、VIXは落ち着いた低位圏から一段階上の警戒ゾーンへ移行した局面にある。20台前半を維持しながら上方向を試すのか、それとも20割れへ反落して再び安定圏へ戻るのかが、今後のリスク資産全体のセンチメントを測るポイントとなる。
US10Y 米10年債利回り相場
US10Y ( 米10年債利回り相場) – 日足 –

通常、米10年債利回りはドル相場と連動しやすい傾向がある。
足もとでは4.13%前後まで持ち直しているが、全体としては4.0%台前半を中心としたレンジ推移が続いている。これまで上値を抑えてきた長期の下降トレンドラインをいったん上抜けた後、再びその近辺まで押し戻されており、現在はトレンド転換の定着を試す局面にある。
直近では4.00~4.06%ゾーンが下値サポートとして機能し、この水準では押し目買いが入りやすい。一方で、4.15%前後は目先の分岐点となっており、さらに上では4.25~4.30%に戻り売りが出やすいレジスタンス帯が控える。
4.15%を明確に上抜けて定着できれば、2月高値圏に向けた再上昇余地が広がりやすく、金利上昇を通じてドルの下支え要因になりやすい。逆に4.00%近辺を再び割り込む場合は、3.95%前後、さらに3.85%近辺までの下押しを試す展開も視野に入る。
ベースシナリオとしては、なお4.00~4.20%台のレンジ内推移が中心だが、4.15%近辺の攻防を上放れるのか、それとも4.00%台前半で再び失速するのかが、今後のドル円の方向感を占う重要なポイントとなりそうだ。
まとめ

USD/JPY ドル円
ドル円は週足・4時間足ともに上昇基調を維持しつつ、足もとでは157円台後半で高値持ち合いの色彩が強い。
上値は157.9~159.0円がレジスタンス帯で、159円台を明確に上抜けられるかが次の焦点。下値は156円台前半が目先の押し目候補で、割り込む場合は中期的に153円台方向までの調整余地が意識される。
BTC/USD ビットコイン
ビットコインは週足ベースで大幅調整地合いが続き、足もとでは70K近辺で下げ止まりを探る局面にある。
4時間足では72.5~76Kが戻り売りゾーンとして機能しており、70K前後を維持できるかが短期の分岐点。維持できれば反発余地を残す一方、69K割れでは65~66K、さらに62K台方向への下押し警戒が必要となる。
その他(VIX/金利)
VIXは23台後半まで切り上がり、市場心理は安定圏から警戒ゾーンへ移行したが、なおパニック局面ではない。
米10年債利回りは4.0%台前半でのレンジ推移が続き、4.15%近辺の攻防がドル相場の次の方向感を左右しやすい。全体としては、ドル円は底堅さ、BTCは戻り売り優勢、株式市場は警戒感の高まりという組み合わせになっている。
↓下にミニ用語辞典を用意しました!ご参考までに!!
それではまた来週!
ミニ用語辞典
- FOMC:米国の中央銀行会合。政策金利(お金の値段)を決める場。
- CPI:消費者物価指数。物価の上がり下がり=インフレ度合いを示す指標。
- 米雇用統計(NFP):米国の働く人の増減などを発表。景気の“体温計”。
- 利下げ観測:市場が「金利を下げそう」と見込むこと。金利が下がるとドルは弱くなりやすい。
- 政策金利:中央銀行が決める基準金利。世の中の金利の“起点”。
- bp(ベーシスポイント):金利の最小単位。1bp=0.01%(25bp=0.25%)。
- 米債利回り:米国債の利回り。将来の金利見通しの“合成値”で、ドルの強弱に影響。
- 声明:FOMC後に出る公式文。景気やインフレへの見方が端的に書かれる。
- フォワードガイダンス:中央銀行が「今後はこう動くかも」と事前にヒントを出すこと。
- レートパス:これからの政策金利がどう推移しそうかという道筋。
- ETF(現物ETF):株のように売買できる投資信託。現物ETFは実物のビットコインを裏で保有。
- ETFフロー:ETFに入った/出たお金の流れ(流入=買い超、流出=売り超の目安)。
- デジタル資産ファンド:暗号資産に投資するファンド全般。週次の資金の出入りが参考材料。
- 流入/流出:資金が入る/出ること。価格の追い風/向かい風になりやすい。
- レンジ(保ち合い):価格が上下に挟まれて往復する状態。
- レジスタンス(抵抗帯):上がりにくい天井ゾーン。売りが出やすい価格帯。
- サポート(支持帯):下がりにくい床ゾーン。買いが出やすい価格帯。
- 押し目:上昇トレンド中の一時的な下げ。買い直しポイントになりやすい。
- 上目線/下目線:相場の基本想定。上目線=上がりやすい想定/下目線=下がりやすい想定。
- 逆張り:レンジの端(高値・安値)で反対方向に仕掛ける手法。
- ボラティリティ:価格の振れ幅の大きさ。大きいほど短時間で値が動く。
- VIX(恐怖指数):米株のボラティリティ期待を示す指数。高い=リスク回避、低い=安定しやすい。
- US10Y:米10年国債利回りの略称。
- モメンタム:上げ/下げの勢い。強いほどトレンド継続が意識されやすい。
- 流動性:売買が成立しやすい度合い。流動性狩り(ストップ狩り)=ストップ注文が溜まる価格帯を一時的に突く動き。

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