
これまでの記事で、
チャートの形や動きを見て判断する方法を学んできました。
でも実際にチャートを見てみると、
「今は買い時なのか、様子見なのか」
「この流れは強いのか、それとも終わりそうなのか」
と迷ってしまうこともありますよね。
そんなときに頼りになるのが、
テクニカル指標(テクニカルツール)です。
この記事では、
初心者でも安心して使えるシンプルな指標を中心に、
その意味や使い方をやさしく解説していきます。
1. テクニカル指標とは?
テクニカル指標とは、
チャートの動きを数値や線にして、見えにくい情報をわかりやすくする道具のことです。
過去の価格の平均や、
買われすぎ・売られすぎの状態などを
線やグラフで示してくれるので、
「今どうなっているのか?」を
目で見て理解する助けになってくれます。。

テクニカル指標は、
特別なスキルがなくても使えるように作られているので、
チャート初心者の方でも安心です。
また、指標といっても難しい数式を覚える必要はありません。
すでに計算された結果が表示されるので、
私たちはその「線の動き」や「数値」を見て、
どのように判断するかを考えるだけでOKです。
2. 初心者でも使いやすい3つの指標
① 移動平均線(MA)
移動平均線(いどうへいきんせん/Moving Average)は、
過去の価格の平均値を線にして、チャート上に表示したものです。
この線を見ると、
価格の全体的な流れ(トレンド)が
わかりやすくなります。

短い期間の平均(例:5日)なら、最近の動きが中心に見えます。
長い期間の平均(例:75日)なら、もっと大きな流れが見えてきます。
たとえば…
- 価格が移動平均線より上にある → 買いが優勢(上昇傾向)
- 価格が移動平均線より下にある → 売りが優勢(下降傾向)
このように、チャートの波をなめらかにして、流れをとらえるのが移動平均線の役目です。
移動平均線は「価格の平均的な流れ」を教えてくれる道案内のようなものです
最初は「25MA」など中期線を1本だけ表示してみると、
全体の流れがつかみやすくておすすめです。
② ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、
価格がどのくらい上下にブレやすいか(ゆれ幅)を
帯のような形で表示する指標です。

中心には移動平均線があり、
その上下に「±1本、2本、3本」の線が広がります。
これによって、
価格が「通常の範囲にあるか、行きすぎているか」がわかります。
たとえば…
- バンドの外に飛び出した → そろそろ反発するかも?
- バンドが急に広がった → 大きな動きが出る前ぶれかも?
また、バンドがギュッと狭くなっているときは、
これから大きく動き出すサインでもあるので、
その後の動きを注意して観察してみるといいでしょう。
③ RSI(アールエスアイ)
RSI(Relative Strength Index)は、
「買われすぎか、売られすぎか」を
0〜100の数値で示す指標です。
- RSIが70以上 → 買われすぎ → 下がりやすい?
- RSIが30以下 → 売られすぎ → そろそろ反発?
というふうに、数値をもとに逆の動きを予想するのが基本の使い方です。

RSIは「今の相場、ちょっと熱すぎるかな?」を教えてくれます
ただし、70を超えてもさらに上がったり、
30を下回っても下がり続けたりすることもあるので、
他の指標と組み合わせながら使うのがおすすめです。
3. どれを使えばいいの?
「3つもあって、どれから使えばいいの?」と迷う方もいると思います。
でも、最初は1つだけで大丈夫です。
特におすすめなのが、移動平均線(MA)です。
見た目もシンプルで、「流れをつかむ」ことができるからです。
慣れてきたら、
「バンドも入れてみようかな?」
「RSIで疲れ具合も見てみよう」
というふうに、
自分の判断の幅を広げていけばOKです。
また、「表示するだけ」でも効果があります。
何回も見ていくうちに、
感覚として判断できるようになっていきます。
4. どうやって表示させるの?
テクニカル指標は、
チャートツールや取引アプリに最初から入っています。
たとえば、
- パソコンのチャートソフト(例:MT5、TradingViewなど)
- スマホアプリ(FX会社のアプリやチャートアプリ)
などです。
そこで「インジケーター」「分析ツール」などの
項目をタップし、
その中から「移動平均線」や「RSI」を選ぶことで、
チャート上に表示されるようになっています。
《例. 「スマホ版MT5」テクニカル指標の表示方法》

①チャート画面で「f」と書かれているインジケーター設定を開きます
②「+」をタップします
③追加するインジケーターをタップします
④設定をして、「完了」をタップします ※慣れないうちは初期設定のままでも問題ありません。
⑤チャート上にインジケーターが表示されます
設定も自由に変えられるので、
慣れてきたら自分用に変えてみましょう。
たとえば移動平均線の「期間」を10から50に変えれば
その分広い流れを知ることができます。
線の色や太さもカスタマイズできるので、
使いやすいように設定してみてくださいね!
5. テクニカル指標の注意点

ここまで便利な指標を紹介してきましたが、
ひとつ注意してほしいことがあります。
それは、
テクニカル指標=万能ではないということ。
「線がこうなってるから買えばいい」
「数値がここだから必ず下がる」
というわけではないのです。
たとえば、RSIが70を超えていても、
そのままさらに上昇することもありますし、
移動平均線を下回ってもすぐに戻ることもあります。
テクニカル指標は“確定のサイン”ではなく、“判断のヒント”です。過信しないことが大切です
そこで大切なのは、「組み合わせ」と「自分の観察力」です。
- チャートの形
- 流れ(トレンド)
- テクニカル指標のヒント
- 過去の似た動きとの比較
こうした材料を使いながら、
総合的に判断していくクセをつけることが、
失敗を減らす近道になります。
テクニカル指標は、使えば使うほど
「自分の相場観」を育ててくれる心強い相棒になりますよ。
まとめ
この記事では、
初心者でもすぐに使える3つのテクニカル指標を紹介しました。
- 移動平均線:価格の流れを見る
- ボリンジャーバンド:動きのゆれを見る
- RSI:買われすぎ・売られすぎを判断する
まずは1つ表示するだけでいいので、
チャートと一緒に眺めることから始めてみてくださいね。
自分でやってみることが学びを深めます。まずはMT5をダウンロードして、テクニカル指標を表示してみてください!
次回はいよいよ、
実際のチャートを見ながら
「読み方」を練習するステップに進んでいきます!
こちらもぜひご覧ください!

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